
産後はホルモンバランスの変化や疲れ、ストレスなどにより、様々な不調に悩まされることがあります。
腰痛や肩こりなどの身体の問題、ストレスやイライラ、産後うつのような精神的な問題を抱えている方も少なくありません。
そんな産後のお悩みには「マインドフルネス」が役立ちます。
「マインドフルネス」というと「瞑想」「修行」といったイメージがあり、「それじゃなくても大変な産後の時期にできるわけがない」と考える方もいるかもしれません。
でも、実はマインドフルネスは「瞑想をする」ことだけではなく、もっと広い意味で自分自身の体や心と向き合うことです。
心身共に負担の多い産後にこそマインドフルネスを取り入れることをお勧めしたい!
この記事では、産後マインドフルネスの効果と、産後に気軽に楽しく実践できるマインドフルネスの実践法を解説します。
産後マインドフルネスで期待できる効果
✅ストレスの軽減
✅産後うつの解消と予防
✅腰痛、肩こり、頭痛等の解消
✅自律神経のバランス改善
✅睡眠障害の改善
✅骨盤の戻りがスムーズになる
✅ダイエット・産後太りの予改善、予防
✅赤ちゃんとのコミュニケーション力アップ
✅幸福度アップ
マインドフルネスは、心の問題への対処法として扱われることが多いですが、実は体の問題に対してもかなりの効果があります。
特に、産後はホルモンバランスも大きく変化することから、脳の変化やストレスが体の痛みや不調として現れているケースが少なくありません。
産後に起こる症状の原因
◎身体、骨盤の歪み
産後に体の歪みや不安定さが気になって整体を受けに来られる方は多いです。
「産後の骨盤ケアが大事」という認識は広まってきているように感じますが、本当は身体の歪みは産後だけの問題ではありません。
実は、妊娠前から生活や仕事の中で体の歪みを作ってしまっているケースがほとんどで、出産や産後の不安定な時期に、それが症状として現れているに過ぎません。
腰痛や肩こり、頭痛などはもちろんですが、産後のイライラや落ち込み、産後うつの原因が骨盤の歪みであるケースも少なくありません。
◎ストレス
産後は肉体的にも精神的にも、どうしてもストレスが多いものです。
産後は普段よりもストレスに対して敏感になります。(子供を守るための本能的な変化だと言われています)
ストレスが多いと余計な痛みを感じてしまったり、自律神経がうまく働かず、身体や心のバランスも崩れやすくなります。
◎疲労や睡眠不足
慣れない子育ては、精神的にも肉体的にも思った以上の疲労を蓄積させます。
さらに、子供がまだ小さいうちは、夜も何度も起きたり、授乳したりする必要があるので、睡眠不足にもなりがちです。
現代の母親の多くは、基本的に一人で子育てしているため、ほとんどが慢性的な疲労と睡眠不足を抱えていると言えるでしょう。
本来は、産後は子育てに合わせて、短い睡眠を頻繁にとる形でバランスが取れるように母親の体も変化します。
ただ、普段から自然に沿わない現代的な生活に慣れてしまっている人にとっては、この産後の自然な変化に対応することが難しくなっているようです。
そういった現実を踏まえ、意図的に疲労や睡眠不足への対策を取ることが大事です。
◎ホルモンバランスの変化
妊娠中から産後にかけて、出産や子育てに適した脳と体の状態にするために、心身を緩めリラックスさせるホルモン(リラキシン、オキシトシンなど)が多く分泌されます。
つまり、体が緩み精神的にも穏やかな状態で出産や子育てに専念できるように体が変化するのです。
それに合わせて、周りのサポートも受けながら、無理せずゆっくりと子育てに専念できればいいのですが、そうもいかない方のほうが多い、というのが現状のようです。
妊娠前や妊娠中にもバリバリと働いていたリ、無理をすることが当たり前になっていた方は、産後、子育て中に急に無理が利かなくなり、大きく体調を崩してしまうことがあります。
産後の女性の身体は脳内ホルモンを含めて、「子育てに専念できるように変化している」ということを前提に、子育てや自分自身の身体とも付き合っていくことが大事です。
産後は、妊娠前まで当たり前にできていたことが当たり前ではなくなります。
「なぜ?」「どうして?」と悩んだり、自分を責めたりもせず、「産後はそういうもの」と受け入れ、上手に付き合っていくことが大事です。
産後マインドフルネス実践編!
では、肝心の産後マインドフルネスの実践法です!
冒頭でも書いたように、マインドフルネスは「瞑想」「修行」のことだけを言うのではありません。
マインドフルネスとは今この瞬間の自分の体や心の状態に意識を向けることで、心身の余計なストレスを軽減させることができます。
もちろん、普段から瞑想を実践している方、産後も瞑想の時間が取れる方は瞑想をするのも良いですが、ここではもっと簡単にできるものをご紹介します。
☺深呼吸をする

子育ての合間に、何度でも「深呼吸」をしましょう。
ストレスが強いと無意識に呼吸が浅くなります。思い出すたびに、意識的に深呼吸をしてみてください。
この時、意識は「呼吸に集中」するようにします。
呼吸が鼻や口から出入りする感覚や、身体の中を通る感覚、お腹や胸の動きを感じてみます。
1~2回の深呼吸でかまいません。余裕があれば1~3分くらいのマインドフルネス呼吸法を行うのも良いでしょう。
疲れている時、ストレスが多い時ほど呼吸が深く吸いにくく感じるかもしれません。
そんな時は、吸うことよりも「吐き切る」ことを意識的にやってみてください。
すぐには深い呼吸ができなくても気にすることはありません。
呼吸が浅いなら「浅い」ということに気付き、そういった「自分の状態」に意識が向く瞬間を作ることで、少しずつでも自然と心身のバランスがとり戻されます。
☺「伸び」や「あくび」を丁寧にする
深呼吸と同じように、「伸び」や「あくび」も意識的にするようにしてみましょう。
本来「伸び」や「あくび」は、疲れや眠気を解消するために自然と起こる「生理現象」です。
ただ、疲れやストレスが強すぎたり慢性的になっていると、身体が鈍ってしまい、これらの生理現象が自然と起き無くなります。
思い立った時に、「形から」でいいので、伸びやあくびをわざとやってみてください。
やっているうちに、本物の「伸び」や「あくび」が起こり始めます。
この時も、「身体の感覚」にフォーカスして、伸びたいように伸びたり、気持ち良い姿勢や動き、呼吸を探すようにやってみましょう。
伸びたりあくびをした後は、しっかりと脱力して、身体に流れる「余韻」も味わいましょう。
手足や胴体、頭などが緩んでいく感覚、ジワジワと何かが流れる感覚などが現れていたら、それを丁寧に味わってみます。
「伸び」や「あくび」といった、「動き」も大事ですが、その時に身体に起こる「感覚」に意識を向けることも大事にすると、よりマインドフルネスの効果を得られやすくなります。
☺赤ちゃんの肌、体温を感じる

抱っこ、授乳、マッサージ等で赤ちゃんと触れ合う。それ自体がマインドフルネスになります。
赤ちゃんの肌の感触、体温、鼓動、呼吸、身体の動きなどを意識的に丁寧に感じてみてください。
人と人との触れ合いは、最高のリラクゼーションだと言われています。
特に、赤ちゃんとの触れ合いは母親に最上の癒しと幸福感をもたらします。
人は人の肌に触れると「幸せホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が分泌されます。
オキシトシンは幸せな気持ちにさせてくれるだけでなく、様々な健康、美容効果もあります。
母親がマインドフルネスに赤ちゃんと触れ合うことは、赤ちゃんにも癒しと幸福感を与え、母子のきずなを強めます。
マインドフルネスで我が子を「感じる」スキルが上達すれば、言葉無しでもお互いを理解しやすくなり、子育てが何倍も楽になるはずです。
☺骨盤呼吸法
骨盤呼吸法は産後の骨盤を整えるセルフケアとしてもおススメの方法です。
呼吸に合わせて骨盤を動かすので、骨盤の柔軟性やバランスを整えるとともに、自律神経が整います。
呼吸と体の動きにフォーカスして行うことで、マインドフルネスの効果もあります。
▼こちらのページで詳しく解説しています
いつでも、どこでも、一瞬でもマインドフルネス!
子育て中は自分のために時間を取ることも、自分の身体や心に意識を向けることも後回しになりがちです。
思い出した時に、一瞬でもいいので自分の呼吸に意識を向けてみたり、掃除やおしめ替えなどを集中して丁寧にやってみたり、食事を少しゆっくりよく噛んで食べてみたり、横になった時に自分の身体を感じてみたりしてください。
即効性やわかりやすい変化を感じられなかったとしても、自分が緊張していることに気付いて少し肩の力が抜けたり、イライラを無意識に増幅させる反応を止めることができたりすると思います。
マインドフルネスとは「今ここに在る」こと。
自分や子供に理想や完璧を求めるのではなく、ありのままの自分や子供を受け入れるを受け入れることが、楽しく幸せな子育ての秘訣でもあります。
「ちょっと深呼吸してみようかな」
「私はどんな呼吸をしてるのかな?」
「子供の鼓動や呼吸はどんな速さなのかな?」
といった具合に、普段気付いていない感覚に興味をもってみるくらいの感じで、マインドフルネスを取り入れ、子育てに役立ててみてください。
短時間でできるマインドフルネス
ほんの数秒でもできるマインドフルネスの方法もご紹介しています。子育て中でも実践しやすいと思いますので参考にしてみてください。
産後うつ等については、こちらの記事も参考にしてください
その他、産後、子育て中の方にも役立つ様々なマインドフルネスやセルフ整体の実践法もご紹介しています。
